平成26年4月30日(水) 31期生研修修了おめでとう!とは言いません Part1 〜これが最後の授業です〜 平成26年4月18日(金)、馬の世界など全く解らなかった21名が1年間の勉強を終え育成調教技術者としての一歩を踏み出す。 今期は21名中19名が18歳、いわゆる社会人としての心得を知らない若者集団だ。挨拶、返事から教えそして他者とのコミュニケーションの取り方、ネットの使い方、他者を労わる気持ちなどBTCが教えることではないことばかりの1年教育であった。 こんなことを1年続けていても君たちにどれほど伝わっているか自信はない。それぞれの成育歴や性格は18年間培ってきたものであり、この1年で早々変わることなど無いと思っている。きっと君達は社会に出てから初めて己の未熟さ、傲慢さ、そして弱さに痛感するであろう、自分一人では何もできないことに。そして困難な状況にあった時に正面から立ち向かうのではなく、一体どんな方法を選択するのであろうか。あれこれ言い訳をして回避するのだろうか。 アマチュアは出来ないことがあった時には言い訳をする習慣がある。「時間がない」「道具がない」「場所がない」「人脈がない」言い訳の内容は正当かもしれないが、どんなに正当でも言い訳をしたら最後で夢の実現がストップする。プロは言い訳が正当であっても不当でも、とにかく控える。別の手段や方法を考える。それがプロ。なんとかして知恵を絞り、実現できる方法を考える。「ほかに何か方法がないか、別のアプローチはないか。何がいけないのか」と様々な可能性を探す。試行錯誤を100回でも1000回でも繰り返して決して諦めない。君達はこれから牧場で働きお金を貰い生活をするプロになる。言い訳は絶対にするな。 そして君達は馬に乗ることだけが仕事の大半ではなく牧場に関わる業務全般が主な仕事だ。馬に乗っていない時間のほうが長いことを理解し「三乗七厩」という言葉の意味をいつも忘れるな。 騎乗技術は最低限のことを教えただけであり牧場で通用すると思うな。その程度のレベルだ。所詮、BTCでは教官にレベルにあった馬を選んでもらい、そしてJRA育成馬実習でもJRA職員に大人しい馬を選んでもらっているだけの事で、真の実力ではない。技術者として言わせてもらうと、騎乗する上で一番必要な「馬に推進をかける」ことが一切できていない。ただ、馬に跨って騎乗姿勢らしきものを見せているだけに過ぎない。このことは君たちが一番理解していることだけどあえて言葉にした。それでも君達をここまで教え育てた多くの人に感謝する気持ちを忘れるな。馬の取り扱いについても言わせてもらう。たかが1年しか知らない人間が基本から外れ、勝手に身に付けた応用らしき方法で馬を扱っていく。基本を疎かにすれば大怪我につながる。初心を忘れるな。 結論、牧場における「即戦力」なんて言葉は君たちに相応しくない。 (教育係長 齋藤昭浩) Part 2 ハァ〜〜〜〜〜〜〜すっきりした。本音を言ってやった!! どうだ!31期、とっても暗い気持ちになっただろう。でもね、本音の本音は「怪我には注意して下さい。とても心配です。そして常に笑顔を忘れず、謙虚さをもち先輩や上司から受ける指導には感謝しなさい」ということです。 馬乗り人生35歳の私から見れば、君たちは1歳になったばかりです。たかが1歳です。これからの馬人生は「大いに苦しみ、悩んでこそ、はじめて前に進める」ということを覚えておきなさい。ただし、悩みすぎて心が疲れた時にはいつでも連絡ください。BTCはあなた達をいつでもどんな時でも何歳になってもサポートします。 それではこれで最後の授業とします。31期生のみんな「Do Your Best!! 最善を尽くせ」これが本当の題名です。我武者羅に頑張りなさい! なお、困った時の連絡先は akihiro_saito@b-t-c.or.jp 宛にメールで問い合わせ下さい。そして31期生に限らず全ての修了生にもサポートします。「元気です」メールでも構いませんので連絡を待っています。共に強い馬づくりを目指し、日本の競馬を盛り立てていきましょう! ※18歳以外では2名のアラサーさん達がいます。とても優秀であったおかげで助かりました。研修開始早々、アラサーさん達とは色々と「若い奴ら」について相談したことを思い出します。また、アラサーさん達は馬乗りとしては遅いスタートです。若くないのですから体調管理には十分に気を付けてください。 ※コラッ18歳組!若い奴らは休みなど返上して馬車馬の如く働いて給料が出たら、感謝の気持ちを持って両親に全額渡せよ!そして、サイトウ ニモ スコシ チョウダイ ネ!
|
平成26年4月18日(金) 2014年 BTC 育成調教技術者養成研修 第32期が始まりました! 4月8日(火)、BTC軽種馬育成調教センター日高事業所において、待ちに待った第32期研修生の開講式が行われました。 32期の研修生は、北は北海道から、南は九州福岡まで全国16都道府県より集まった18歳〜28歳、男子17名、女子4名の総勢21名です。今期も希望あふれる若者がそろっています。 関係機関の方々やご家族が臨席された開講式では、みな緊張した面持ちで式典に出席しました。 天戸光則総務課長の司会により式は進行し、まず松勝憲BTC日高事業所長より入講を許可された後、本年4月1日付けで新理事長に就任された大平俊明理事長より「ここ数年、凱旋門賞やドバイワールドカップといった世界最高峰のレースで日本生産馬が活躍していますが、その要因として育成調教技術の向上があげられています。研修は厳しいですが、最後まで初心を忘れず、一人の落伍者もなく全員がこの研修を修了されるよう頑張ってください。」との式辞が述べられました。 また、来賓の名取哲哉日高振興局長より「皆さんは、数多くの希望者の中から馬への情熱と才能を見込まれ選出されたと伺っています。競馬界を支えるホースマンを目指し、仲間と協力し支えあい研修に励んでください。」、山野辺啓JRA日本中央競馬会日高育成牧場長より「BTCの研修は厳しく辛いことも多いと思いますが、研修生同志が励ましあい、支えあって全員で来年の修了式を迎えられるように頑張ってください。このBTC研修が真のホースマンになる第一歩となることを祈念しています。」と祝辞を頂きました。 開講式に続いて行われた昼食会では、一人ずつ自分達の研修にかける意気込みを以下のように語ってくれました。 T.O君(山梨)一年間ケガなく、楽しく過ごしていきたいです。よろしくお願いします。 K.K君(岐阜)どこに行っても恥じない騎乗技術を身に付けたいです。 R.Iさん(埼玉)将来、自分にまかせれば安心だと言われるホースマンになりたいです。 M.Kさん(千葉)年長なので生活・騎乗ともに模範的な態度で取り組んでいきたいです。 T.T君(静岡)騎乗者としても人としても成長していきたいです。 M.T君(北海道)馬の気持ちが分かるホースマンになりたいです。 T.N君(京都)アイルランド研修に参加できるように頑張ります。 Y.Mさん(富山)初心者ですが、馬からも人からも信頼されるホースマンになりたいです。 A.Mさん(埼玉)1勝でも多く勝てる馬を造り周りから信頼されるホースマンになりたい。 Y.Y君(東京)みんなと一生懸命研修し、即戦力として牧場で働けるように頑張ります。 T.W君(長野)どんどん厳しくしてください!気づいたら一番うまくなっていたいです。 T.H君(千葉)自分に育成してもらいたいと思われるようなホースマンになりたいです。 D.N君(広島)将来世界で活躍する馬を育てられるように技術をしっかり身に付けたい。 S.M君(大阪)ファンに喜んでもらえるような馬を造りたいです。 M.M君(滋賀)騎乗技術や馬学を学びアイルランド研修を目指して頑張りたいです。 Y.S君(埼玉)北海道に負けないぐらいでっかい人間になりたいです! K.S君(福岡)自分の考えをしっかり持った真のホースマンになりたい。 H.K君(福島)世界で活躍できるホースマンになりたいです。 S.A君(千葉)元気いっぱいケガしないように頑張りたい。 H.K君(岐阜)1年間やり通して頑張っていきたいです。 T.O君(群馬)人も馬もケガなく頑張りたいです。 32期の平均年齢は20歳と非常に若いですが、この春高校を卒業したばかりの者が11名、大学・高専卒3名、社会人経験者が7名というとても個性的なメンバーが揃っています。 毎年、東京・大阪などの大都市出身者が多いのですが、今期は16都道府県にまたがり、方々で様々な方言が聞こえておりにぎやかです。現在、先輩である31期生にいろいろ教えてもらいながら、ホースマンへの第一歩を踏み出したところです。彼らにとって、この一年間は今までの人生の中でもとても刺激に満ちた、充実した1年になることでしょう。研修スタッフも全力でサポートしていきます。皆様も32期生を温かく見守って下さい。 (養成担当課長)
|
平成26年4月11日(金) 1年間の研修生活を終えて 私達31期生の研修も残り僅かで終わりを迎えます。入講式の際に、BTCの杉本専務理事の述べられた「1人の落伍者もなく全員がこの研修を修了されるよう願っています。」の言葉通り、私達31期生は(少なからず問題はありましたが)無事に21名全員で修了式を迎えられそうです。 31期生の特徴としては、20代が2人しかおらず、残りの19人は10代のゆとり世代といわれる時代に育ったフレッシュな若者たちです。皆仲がいいのは良いことですが、友達意識が強すぎた嫌いがあったのではないかと感じました。あくまでも、研修中は仲間であり友達ではないということを理解してもらいたかったなと思います。 もう1つの特徴として、教官や寮監が注意して時折釘を刺しても知らぬ間にぬいてしまっている面が多かった事です。寮長の私にとっては悩みの種でした・・・。 1年間を振り返ってみると、楽しいこともつらいこともありましたが、好きな馬たちに囲まれて、すごく充実した1年でした。自分の好きなことを仕事にできるということは簡単ではありません。それがこれからできるというのは幸せなことだと感じます。 ただ、これから踏み入れる社会では今までのゆとり生活が通用するほど甘くないはずなので、研修生の皆は肝に銘じておいてください。 話は変わって、毎日携わってきたBTCの教育用馬たちですが、入講当初は44頭いました。この1年で新たな馬が入厩してくる一方、退厩していく馬もいましたし、31期生で名前を考えた馬との悲しい別れもありました。皆それぞれ思い入れのある馬がいたと思います。 BTCの研修の中で、多くの事を学ばせてくれ、騎乗においても全く上手く乗れず何度も地面と向き合った私を乗れるようにしてくれた馬たち、そして、日々厳しい言葉を掛けながらも熱心に指導して下さいました教官方には感謝の言葉しかありません。 BTC研修修了後は、それぞれが就職先の牧場で新たなスタートを切ります。まだまだ私達は未熟ですし、悩むことも多く失敗もするでしょう。でも、私達は若いんだから大丈夫!失敗を恐れずにどんどんチャレンジして一人前のホースマンを目指して、教官から教えていただいた『三乗七厩』を忘れずに頑張っていきましょう。 最後になりますが、教官方をはじめ寮監、BTC関係者の皆様、JRA職員の方々、実習や見学等でお世話になりました牧場の方々、そして教育用馬達、1年間本当にありがとうございました。 32期生のみなさん、これから1年間、BTCの教育用馬達と共に頑張ってください! (研修生:寮長) ☆31期生最後の更新となります。寮長らしいみんなへの激励ですね。 若い研修生が多いが故にいかんせん『フレッシュすぎるか?』といったところも間々ありましたが、それが31期のいいところでもありました。年長者2名はいろいろ気苦労もあったことと思いますが、どうもお疲れ様でした。 これからは生活面でも精神面でも自立していかなければならない事を分かっているのか分かっていないのか、不安なところではありますが・・・どうぞ健康に気を付けて怪我のないように仕事に励んでくださいね! 31期生のみんなチャオ!!!笑 (養成担当:Y) |
平成26年4月3日(木) ばんえい競馬 今回が最後の課外研修で、最後と聞くと一年の時間が流れる速さに驚かせれます。 さて、今回の課外研修は「ばんえい競馬見学」ということで、いつもはサラブレッドの競馬を見ていますが、ばんえい競馬はまた一味違った楽しさがありました。 まず、馬体がすっごく大きく顔もデカい!!僕も顔は大き方なのですが、3倍くらいはデカかったです。それに、ばん馬はレースで牽く重量がサラブレッドの競馬の負担重量と桁が違いました。なんと1トン!その重量を牽いて200メートルのコースを駆けていくのは迫力がすごかったです。2つの障害の内、第二障害を登っていく姿は、場内の観客の声援をより大きくし、僕達も知らないおじさんと一緒に声を張り上げ、普通の競馬とは少し違った声援がありました。第2障害を登れず膝をついた状態で他の馬から取り残され、1頭だけゴールできない馬を観客全員が応援し、それに応えるように馬も最後の力を振り絞り第2障害を登ると、場内全体でものすごい拍手が響きました。僕たち研修生も大きな拍手・歓声を上げ、『ばんえい競馬も素晴らしい!』と感動しました。 みなさん、ばんえい競馬をもっと盛り上げましょう! (研修生:ヒロフミ) ☆ばんえい競馬は、なんか、こう、込み上げるものがありますよね。早く走る馬もかっこいいけど、一歩一歩踏みしめるように走る馬もまたかっこいい! 結論、どんな馬でもそれぞれかっこいいのです!馬っていいなぁ・・・ (養成担当:Y)
|