研修OBを訪ねて 修了者からのメッセージ(取材編) ノースヒルズ

2012年06月01日

ノースヒルズ     (北海道新新冠町)    

鈴木 知樹 (第24期修了者)

鈴木 明音 (第24期修了者)


 今回、取材にのご協力していただいたのは、新冠町の株式会社 ノースヒルズです。こちらは、2012年天皇賞(春)を勝ったビートブラックをはじめ、トレイルブレイザーやアーネストリーなど、近年数々の活躍馬を輩出されています。また、当センターの育成調教技術者養成研修を修了された24期の鈴木 知樹さんと鈴木 明音(旧姓 信太)さんがおられますので、色々なお話を伺いました。

鈴木知樹さんと明音さん

きっかけは陸上競技?

この仕事に就きたいと思ったきっかけを二人にお尋ねしたところ、知樹さんは「中学生の時に、親に競馬場に連れてってもらったのがきっかけですね。もともと動物が好きだったのと、陸上をやっていたのもあります。競馬って少し陸上競技と似ているじゃないですか(笑)、そういったものもあって自然とそのように流れていきましたね。」と、競馬そのものが身近に感じられたそうです。一方の明音さんは「中学生の頃に、テレビで競馬中継をみて、そこで走っている馬達の姿に感動したのが決め手になりました。その前に、学校の修学旅行で外乗トレッキングを経験したのですよ。もしかしたら、その時に決めていたのかもしれません。」と、馬の美しさに魅せられてこの仕事に就こうと思われたそうです。

研修時代は支え合って…

なぜBTCに入講しようと思われたのですか? 知樹:「ノースヒルズで学生の時に研修をさせていただいた時に、BTCの研修生が実習にいらしてまして、色々とお話を伺ったのです。学ぶには恵まれているなと感じましたね。研修に没頭できる環境だと。」

明音:「高校生のときから、この仕事に就くために色々準備していたのです。乗馬も始めていましたから。その時、色々調べていくうちにBTCを知ることができました。」

研修時代の思い出は?

知樹:「本当に研修には没頭できましたね。恵まれていましたし、本当に色々なことを教わりました。」

明音:「私は結構きつかった思い出が…後半は毎日泣いていたような気がします(笑)。 よく落馬もしました。でも続けていて良かったと思っています。今思うと結構たいしたこと無かったのですけどね(笑)」

知樹:「彼女は色々悩んでいましたよ。本当に落馬は多かったです。 自分が良く相談相手になっていましたから(笑)。」

そういったことでお二人同時にこちらにご就職なさったのですか?

知樹:「そういう訳ではありませんが、自分は学生の時にこちらにお世話になったので、入講当初から就職先は決めていました。本当に良い方が多かったですので。」

明音:「私は研修中、牧場実習でこちらにお世話になった際に決めました。本当に後輩想いの先輩方が多かったので。あっ、知樹くんの存在は関係ないですよ(笑)」

知樹:「でも結婚しちゃいましたけど…(笑)」

気持ちに余裕のある職場

勤めてからどうでしたか?

知樹:「失敗の連続でしたね。今でも技術の無さは痛感しています。本当にすべてが勉強の日々です。失敗しても色々と仕事を任せていただいているからこそ、今の自分があると思っています。本当に気持ちに余裕のある優しい方が多いですよ。」

明音:「最初は本当に何も知らないまずい子でした(笑)。こちらの方々のおかげで今の自分があると思っています。本当に変えていただきましたから。」

今、とても良い成績を上げられていますよね?

知樹:「特に変わったことはしていないですよ。ここは馬にストレスがない環境だからかもしれませんね。それ以外にも自分は、馬に気持ちの余裕を与えられるようには心がけています。馬には胃潰瘍が結構多いみたいですから。」

明音:「余裕は本当に大切だと思いますね。これは馬に限ってのことではないと思っています。ここは楽しく良い雰囲気で仕事をさせて頂いるのが、良い結果につながっているのではないでしょうかね。」

優しくすることが…

これからの人にアドバイスなどはありますか?

知樹:「余裕を持つこととコミュニケーションを取れることが大切ですね。人にも馬にも。人と馬に優しく出来る人は人と馬から優しくしてもらえます。優しくされると優しくしたくなりますから」

明音:「好きでいられることが大切ですね。そのためにその場になじむこと。なじめたら楽しくなって上達していきます。もちろん自分の努力も大切です。自分から輪の中に入っていければ相談とかも気楽に出来ますね。ストレスを溜め込まないようになりましたから。」

 今はご夫婦となり、公私とも充実されている知樹さんと明音さん。お二人の姿を拝見していると、好成績を残されておられる原動力がわかるような気がします。また、お互いが尊重し合っているところがとても印象的でした。今後のお二人とノースヒルズのさらなるご活躍を願っております。今回はお忙しい中、本当にありがとうございました。

(平成24年10月取材 K.S)