研修OBを訪ねて 修了者からのメッセージ(取材編) 新和牧場

2008年06月02日

新和牧場       (北海道日高郡新ひだか町)

宮内 崇(第16期修了者)

 新和牧場はサクラの冠名のついた「さくらコマース」の所有馬を多く管理し、谷岡牧場新和分場を経て谷岡牧場から独立した牧場です。生産から育成・休養まで幅広く手がけており、北海道新ひだか町の本場のほか、福島県の天栄ホースパークの分場や浦河のJRA日高育成総合施設軽種馬育成調教場(以下、BTC調教場)でも調教を行っています。今回は本場に勤務されている2名を取材しました。

 宮内さんは育成調教の担当で、前出の谷口さんとは研修で同期生でした。取材当日は早朝に新ひだか町静内の新和牧場での騎乗後に浦河まで移動し、BTC調教場で騎乗してから午後に再び本場に戻っての騎乗と忙しく過ごしていました。

 東京出身の宮内さんは当初馬とのつながりが全くなく、北海道旅行の時に馬を見てさわらせてもらい、あこがれを感じて牧場の門を叩きましたが、雇ってもらえず代わりに当センター等が実施している養成研修を教えてもらったことがきっかけだそうです。

 研修に入講してからは体が硬いために騎乗するのに苦労したそうですが、優秀な成績で修了することができ、アイルランドの競走馬厩舎での3ヶ月間の研修にも参加しました。アイルランドの研修では、始めて触る現役競走馬の力が強く、これまで研修中に騎乗した教育用馬や若い育成馬との違いに扱いがうまくゆかず何度も挫折感を味わったそうです。

 就職した当初もなかなか騎乗技術が上達せずに苦労したそうですが、幸い牧場には練習に使うことのできる乗馬が繋養されており、調教でみんなの足を引っ張ってはまずいと練習に励んだそうです。その努力の甲斐あってか現在は20馬房を管理する厩舎長になっており、「仕事は忙しいですが、たくさんの馬を調教できるのは楽しいです。」と話していました。

 また、2児の父となった今は時間のある時に子供を乗馬訓練に送り出し鍛えているそうです。取材時は前出同期の谷口さんと馬の調教に加え、子育てについても情報交換をしていました。プライベートでの楽しみは家族で行く温泉で、リラックスするそうです。「人も馬も幸せになるためには、やはり結果を残していくことが大切です。」とこれからの目標を話していました。

(2008年6月取材)

BTC調教場 1,600mトラックで調教する宮内さん

カタオカステーブルで調教する谷口さん