崎山 喬之(宮崎第6期生)

鹿屋育成センターは育成休養を行う牧場で、鹿児島県東南部にある鹿屋の市街地を一望できる高台に位置し、晴れた日には桜島も見えます。牧場は親族で経営されており、崎山さんは将来的には家業を継ぐことも考えながらも、地元の高校を卒業した後に一度東京へ出て他業種で働いていました。その後に鹿児島へ戻り牧場を手伝っていたところ、丁度BTC宮崎養成所の募集があったため入講しました。

実家は育成牧場ですが、崎山さんは馬に乗ったことがなく、BTCの研修で初めて馬に乗り騎乗技術を学びました。「研修期間が6ヶ月だったこともあり、中身が濃く非常に短かく感じた」とのことで、「もっとじっくり学びたかった。」そうです。研修の同期は5人で、教官の檄が飛ぶ緊張感の漂う中、皆、誰よりも上手くなろうとピリピリとしたムードでの騎乗訓練が印象に残っています。ただ、そんな仲間とも訓練以外では非常に仲が良く、お互いをかばい合ったり、寮で色々な話をしたことが良い思い出となっています。

研修を修了し、崎山さんは実家の鹿屋育成センターに戻ってきましたが、当初は騎乗しても全く調教にならず、落馬ばかりしていたそうで、牧場の先輩に怒られながらも教えてもらっているうちに「最近やっと乗れるようになったかな。」と感じているそうです。

そんな崎山さんの一番の思い出の馬がメイショウサムソンで、同馬の鞍着け馴致から育成調教し、厩舎への入厩まで担当しました。当時は牧場に就労して3年目で元ジョッキーの先輩騎乗者と比べるとまだまだ未熟でした。入厩した育成馬の振り分けの際に「大人しそうだから」と言う理由で担当になりました。そして、メイショウサムソンは、その年育成した同期の馬の中で一番大人しく、世話をする崎山さんになついてくる「かわいい馬」でした。「大人しい馬でまさかあんなに勝つとは思わなかった。」というのが今の感想だそうです。ただ、メイショウサムソンの活躍は最高のモチベーション向上になったようで、「一度あったのだから、二度目もある。もう一度ダービーをとる。」ことを今後の目標として頑張っています。

 私生活では既に結婚されており、趣味はゴルフや海でのシュノーケル、年に1回まとめて取ることのできる休暇に行く旅行を楽しみにしています。

 宮崎の研修所は卒業とともに休止になって7年が経ちました。連絡を取っていた同期や先輩の修了生との連絡も途絶え、皆さんの近況を知りたいとのことです。

 「宮崎養成所出身の方、BTCを卒業して九州在住の方はご連絡下さい。情報交換しましょう。」



馬房を前にニコやかな崎山さん


走路から厩舎を望む。晴れた日には彼方に桜島が見える。


走路からの風景、「朝の調教中に馬上から見る日の出は絶景です。」